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目次
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1.人的資本経営について

1.意義

2.具体的な取組み

2.人材版伊藤レポートについて

1.人材版伊藤レポートの概要

2.「人的資本経営」のフレームワークについて

3.3つの視点について

1.経営戦略と人材戦略の連動

2.As is-To beギャップの定量把握

3.企業文化への定着

4.5つの共通要素について

1.動的な人材ポートフォリオ計画の策定と運用

2.知・経験のダイバーシティ&インクルージョンのための取り組み

3.リスキル・学び直しのための取り組み

4.社員エンゲージメントを高めるための取り組み

5.時間や場所にとらわれない働き方を進めるための取り組み

5.まとめ

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ホーム > サステナブル経営 > 【人材版伊藤レポートとは】人的資本経営のフレームワークについて解説

【人材版伊藤レポートとは】人的資本経営のフレームワークについて解説

2023.08.24

近年、人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる「人的資本経営」への注目が高まっています。DX化や新型コロナウイルス感染症の影響等がもたらす構造転換の中で、企業の成長のために「人」は企業の競争力の源泉であり、各企業が人材の潜在力を見出し、活かし、育成することが欠かせません。 最近では、政府もその動きを推進しており、「人材版伊藤レポート」(2020年9月)と、それに次いで、人的資本経営を実践に移していくための取組や重要性をまとめた「人材版伊藤レポート 2.0」が発表されています(2022年5月)。他にも「人的資本経営コンソーシアム」も設立されたり、「人的資本可視化指針」が政府により公開されています(2022年8月)。 そこで今回は、人材版伊藤レポートの内容の中でも、人的資本経営におけるフレームワークについて解説します。

人的資本経営について

意義

まず、人的資本経営とは、人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方です。
従来の考え方では、人材は「資源」の1つとされてきました。「ヒト・モノ・カネ」といわれるように、資源はコストとして消費するものに当たるため、「可能な限り効率的かつ少なく回す」ことが基本です。そのため、人材にかける費用も、なるべく抑えることが理想とされてきました。
一方、人的資本経営では、人材は「利益や価値を生む存在」として、「資源」ではなく「資本」に位置づけられます。また、投資の対象とも捉えられており、社員の育成や研修などを積極的に実施することによって代替不可能な価値が向上し、自社の企業価値も創造され、結果として、利益として企業に還元されていくことで、企業経営の好循環が生まれます。

具体的な取組み

  • 時間や場所にとらわれない働き方(リモートワーク・フレックスタイム制など)を推進する
  • ワークライフバランスを見直す
  • 社内教育を充実させる
  • 給与や賞与、福利厚生など待遇面を充実させる

人材版伊藤レポートについて

人材版伊藤レポートの概要

人材版伊藤レポートとは、経済産業省主導で行われている「人的資本経営の実現に向けた検討会」の座長・伊藤邦雄氏が取りまとめたレポートです。
2020年9月に開催された「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会」の成果として「人材版伊藤レポート」が公表されましたが、そのレポートの内容では、社会環境の変化に対応できなくなったため、企業の成長につながる人材戦略を改めて考え直す必要がでてきました。具体的には、デジタル化や脱炭素化、コロナ禍を経て起こった人々における意識の変化がその例です。経営戦略と人材戦略の連動が難しくなり、人的資本に関連した課題の解決が経営で重要な位置を占めるようになりました。
そのため旧版の内容を改訂する形で、人的資本経営をどのように具体化・実践していくかを示すために「人材版伊藤レポート2.0」が作られました(2022年5月)。
旧版では、変革の全体の方向性と「3つの視点と5つの共通要素」という考え方が提示されていましたが、改訂版は、その「3つの視点と5つの共通要素」について、実行すべき取り組みやそのポイントについて、より詳しく説明したものです。
以下、「3つの視点と5つの共通要素」についての内容を説明します。

「人的資本経営」のフレームワークについて

人材版伊藤レポートによれば、人材戦略は経営戦略などに応じて個社性がある一方で、
  1. 経営戦略と人材戦略の連動
  2. As is‐To be ギャップの定量把握
  3. 人材戦略の実行プロセスを通じた企業文化への定着
といった3つの視点から人材戦略の全体像を分析することが可能です。 
また、人材戦略には
  1. 動的な人材ポートフォリオ、個人・組織の活性化
  2. 知・経験のダイバーシティ&インクルージョン
  3. リスキル・学び直し
  4. 従業員エンゲージメント
  5. 時間や場所にとらわれない働き方
といった5つの共通要素も存在します。
こうした、3つの視点(Perspectives)、5つの共通要素(Common Factors)は、3P・5F モデルと総称できます。企業においては、こうした共通の要素に加え、自社の経営戦略上重要な人材戦略について、経営戦略とのつながりを意識しながら、具体的なアクション・KPI(重要業績評価指標)を考えることが有効です。
それでは、3つの視点・5つの共通要素についてもう少し詳しく見ていきましょう。

3つの視点について

経営戦略と人材戦略の連動

人材戦略を決めるのは人事部だけではありません。経営陣が主導して経営戦略として繋がりを意識して具体的なアクションプランを立てることが重要だとされています。具体的な取り組みとして、以下の7つが挙げられています。
  • CHRO(経営陣の一員として人材戦略を策定・実行する責任者)の設置
CHROとは、経営陣の一員として人材戦略を策定・実行する責任者です。社員・投資家を含むステークホルダーとの対話を主導し、経営戦略と人材戦略の連動を主導する立場の人です。また、人材戦略を自ら提案し、経営陣や取締役会と議論することが期待されます。
  • 全社的経営課題の抽出
経営戦略実現の障害となる人材面の課題を整理し、その課題について経営陣や取締役と議論し、課題に優先順位をつけて対応方針を示したり、改善の進捗状況を共有したりすることです。
  • KPIの設定、背景・理由の説明
業績の達成度をはかるためにKPIは設定しますが、経営環境に合わせて見直しが必要です。見直しを行う場合は、その背景と理由、さらに達成状況を社内外に説明するといった手順が必要です。
  • 人事と事業の両部門の役割分担の検証、人事部門のケイパビリティ向上
人事と事業の両部門の役割分担のあり方を検証し、取締役会に報告します。基本的に、全社的な人事施策については人事部門が、事業単位での採用や部門内での再配置は事業部門が行うものですが、ケイパビリティ(潜在能力)が見込まれる人事部はそれらの活動を支援します。
  • サクセッションプランの具体的プログラム化
経営者としての潜在能力が高い20〜30代の社員を選抜し、育成の機会を与えるべく取締役会・指名委員会と連携します。候補者には、グループ内外の企業で経営者としての経験を持つ人材を含めることも重要です。
  • 指名委員会委員長への社外取締役の登用
十分な資質と責任感を持った社外取締役を指名委員会委員長に登用するために、取締役会・指名委員会と連携する必要があります。
  • 役員報酬への人材に関するKPIの反映
人的資本経営の推進のため、経営陣への報酬の一部が人材に関するKPIに連動する制度の導入を検討し、取締役会・報酬委員会と連携する必要があります。

As is-To beギャップの定量把握

これは、目指すべき姿(To be)の設定と現在の姿(As is)とのギャップの把握を定量的に行うことを指します。定量把握のためには、課題ごとにKPIを設定・計測する必要があります。経営戦略と人材戦略の連動や、人材戦略の見直しのためにも重要な項目と言えます。
  • 人事情報基盤の整備
人材戦略に関する意思決定を支援するため、人材関連のKPI改善や、社員の技能・経験等の情報を常に管理しておきます。
  • 動的な人材ポートフォリオ計画を踏まえた目標や、目標達成までの期間の設定
KPIごとに目標と目標達成までの期間を定め、定期的に現状と目標のギャップを把握し、経営陣・取締役と議論して対策を講じます。
  • 定量把握する項目の一覧化
全社的経営課題の改善に向けたKPI、人材に関するKPIなど、定量把握が必要な重要なKPIを絞り込み、その目標と進捗状況を一覧化しておきます。

企業文化への定着

企業文化は与えられるものや不変のものではなく、人材戦略により作り出し、変化するものです。そのため、目指す企業文化を見据えて人材戦略を策定することが重要になります。企業理念、企業の存在意義や目指すべき企業文化を定義し、企業文化への定着に向けて取り組む必要があります。
  • 企業理念、企業の存在意義、企業文化の定義
「自社が社会・環境にどのようなインパクトをもたらすべきか」という視点で企業理念や企業の存在意義を再考する必要があります。
  • 社員の具体的な行動や姿勢への紐付け
企業として重視する行動や姿勢が社員の中で共通認識となるように、具体的に行動した社員の任用・昇格・報酬・表彰等の仕組みを検討することを意味します。 
  • CEO・CHROと社員の対話の場の設定
CEOやCHROが、維持すべき/見直すべき企業文化などについて、社員と直接対話することを意味します。

5つの共通要素について

動的な人材ポートフォリオ計画の策定と運用

経営戦略の実現には、必要な人材の質と量を確保し、それを中長期的に維持する必要があります。そのためには、経営戦略の実現を起点に、実現に必要な人材の要件を定義し、戦略的・計画的に人材の採用・配置・育成(すなわち、人材ポートフォリオ)を進めなくてはなりません。
  • 将来の事業構想を踏まえた中期的な人材ポートフォリオのギャップ分析
まず、中期的な経営戦略の実現のため、各事業が必要とする人材の質と量を整理することが必要になるという意味です。また、その後、現状とのギャップを明確にし、そのギャップを埋めるための人事施策を立案することが必要です。
  • ギャップを踏まえた平時からの人材の再配置、外部からの獲得
人材ポートフォリオのギャップに基づき、可能な限り早めに、社員の再配置や採用活動を検討し実行するという意味です。
  • 学生の採用・選考戦略の開示
人材ポートフォリオの充実のため、新卒一括採用に限定しない学生採用方針を策定し、留学生など多様な学生の入社を容易にするという意味です。
  • 博士人材等の専門人材の積極的な採用
博士人材のような、高度な専門性と独自の構想力を持つ人材を採用・活用する方策を立案するという意味です。

知・経験のダイバーシティ&インクルージョンのための取り組み

中長期的な企業価値向上のためには、非連続的なイノベーションが行われなければなりません。そのため、イノベーションの原動力となる社員は専門性や経験、感性、価値観といった知と経験のダイバーシティを積極的に取り込む必要があります。また、多様な知識と経験を得られる機会を創出していき、外部の力も借りて、具現化していくことが必要です。
  • キャリア採用や外国人の比率・定着・能力発揮のモニタリング
女性や多様な知・経験を持った人物、外国人など多様な人材を取り込み、能力が最も発揮されるよう検討するということです。
  • 課長やマネージャーによるマネジメント方針の共有
管理職には、多様な人材を受け入れて組織を運営する能力が必要になるため、管理職同士でお互いのマネジメント方針を学び合う環境を整備するということです。

リスキル・学び直しのための取り組み

経営環境の急速な変化に対応するため、また社員の自発的なキャリア形成のため、社員のリスキルを促し、積極的に支援します。
事業環境の急速な変化、個人の価値観の多様化に対して、個人のリスキルと、スキルシフトの促進、専門性の向上が急務です。もちろん、企業の支援も必要となります。
  • 組織として不足しているスキル・専門性の特定
経営戦略実現の障害となっているスキル・専門性を持つ社員に、組織として不足しているスキル・専門性を身につけるよう支援することを意味します。
  • 社内外からのキーパーソンの登用、当該キーパーソンによる社内でのスキル伝播
自社に不足する技能や専門性を有する人材を登用したり、スキルの伝播を依頼したりすることを意味します。
  • リスキルと処遇や報酬の連動
スキル・専門性の獲得を社員に促すよう、成果に応じてキャリアプランや処遇に反映することを意味します。失敗に終わったとしても、組織のニーズのみに限定されないリスキルにも留意・配慮する必要があります。
  • 社外での学習機会の戦略的提供(サバティカル休暇、留学等)
社員に対して社外で学習する機会を与えるため、一定期間職場を離れて学習等に活用するための長期休暇(サバティカル休暇)や留学も視野に入れることが必要だということです。
  • 社内起業・出向起業等の支援
社員の知識・経験を多様化し、人材育成効果を高めるという目的のもと、社員が社内で起業したり、出向という形で起業に挑戦したりすることを支援することを意味します。

社員エンゲージメントを高めるための取り組み

社員が能力を十分に発揮するためには、やりがいや働きがい(エンゲージメント)を感じて主体的に業務に取り組むことができる環境が必要です。しかし、これには様々な要素が関係するため、取り組みと検証を繰り返す必要があります。また、社員一人一人が思い描くキャリアのために、多様な就業形態や機会の提供が必要です。
  • 社員のエンゲージメントレベルの把握
自社にとって重要なエンゲージメント項目を整理し、社員のレベルを定期的に把握します。
  • エンゲージメントレベルに応じたストレッチアサインメント
能力の高い社員に対しては成長を支援するような業務の遂行を提案し、よりレベルの向上を図ることを意味します。また、今の与えられた業務について能力を発揮できない社員に対しては本人の意向を確認し、より適した業務遂行の提案を行います。
  • 社内のできるだけ広いポジションの公募制化
社員が異動又は退職するポジションの補充については、可能な限り公募制を取り入れることを意味します。それによって社員が自律的にキャリアを形成し、仕事への熱意(エンゲージメントレベル)を上げることが可能になります。
  • 副業・兼業等の多様な働き方の推進
社内外の副業・兼業を含む多様な働き方を選択できる環境を整備します。
  • 健康経営への投資と Well-being の視点の取り組み
個人と組織のパフォーマンスの向上のため、社員の健康状況を把握し、継続的に改善するよう、戦略的かつ計画的に取り組みを行います。

時間や場所にとらわれない働き方を進めるための取り組み

働き方に対する人々の意識が多様化し、いつでも、どこでも、働くことができる環境を整えることが求められています。しかし、組織としてはマネジメントのあり方や、業務プロセスについての見直しが必要になります。
  • リモートワークを円滑化するための、業務のデジタル化の推進
リモートワークを継続できるよう、業務のデジタル化を進めていくことを意味します。
  • リアルワークの意義の再定義と、リモートワークとの組み合わせ
オフィスへの出勤(リアルワーク)の意義や有効性を再確認し、リアルワークとリモートワークの最適な組み合わせを実現することを意味します。
以上、3P・5F モデルの内容について説明しましたが、全ての項目に取り組むことを求めるものではありません。各企業の事業内容や置かれた環境によって有効なアクションは異なるため、人的資本経営の実行に必要なアイディアを引き出して各企業ごとに取り組む必要があります。

まとめ

  • 人的資本経営とは、人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方のことを指す。
  • 以前までは、人材は「資源」の1つとされ、より少ないコストで効率的に回すものと捉えられてきた。
  • 一方で、人的資本経営では、人材は「資源」ではなく「資本」や投資の対象、「利益や価値を生む存在」として捉えられるようになった。
  • 人材版伊藤レポートによれば、3つの視点(①経営戦略と人材戦略の連動、②As is‐To be ギャップの定量把握、③人材戦略の 実行プロセスを通じた企業文化への定着)から人材戦略の全体像を俯瞰して分析できる。
  • また、人材戦略には5つの共通要素(①動的な人材ポートフォリオ個人・組織の活性化、②知・経験のダイバーシティ&インクルージョン、③リスキル・学び直し、④従業員エンゲージメント時間や場所にとらわれない働き方)が存在する。
  • こういった3P・5F モデルをもとに、自社の経営戦略上重要な人材戦略や経営戦略との連動を意識しながら、具体的なアクション・KPI(重要業績評価指標)を検討することが有効です。

執筆者

笹埜 健斗(株式会社Scrumy代表取締役会長, 慶應義塾大学サステナビリティ総合研究所所長)

●経歴

国際哲学オリンピック金メダリスト、京都大学法学部、東京大学大学院情報学環・学際情報学府を経て、各業界の最高サステナビリティ責任者やSDGs戦略顧問を歴任。現在、SDGsを経営や教育に応用するための「サステナビリティ学」の第一人者として、持続可能な社会の実現に向けた共同研究やChatGPTを活用したプロンプトエンジニアリング等の技術開発をリードする。

今後、サステナビリティ推進担当、サステナビリティコンサルティング等

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